書籍・雑誌

2007年11月12日 (月)

きよしこ

この重松清さんの「個人的なお話」集 「きよしこ」は、
重松さんの個人的なお話でもあり、私と息子のおはなしでもあり、
そして、上手に、自由に、自分のことをおもいのままに「話す」ということでは表現できない、
どこかにいる「君」とその「君を愛する人たち」のためのお話です。

最初のお話に登場する「きよし」は小学一年生。
うちの息子とおんなじです。
きよしは、カ行とタ行が上手に言えずに、どもっちゃうんです。
うちの息子は、園児の頃は母音が苦手だったんだけど、
今では、調子がいいと、どの音でもOKなのに、
疲れたり、ストレスがたまったり興奮すると、どの音でも引っかかりやすい。
最初の音が、思いっきりつまって、どもっちゃう。
それが、よけい内弁慶にさせているみたいです。
初めての人に自分から話しかけるなんて、まず、ありえないですし、
返事をするのもやっと。しかも、よそを見て、うつむいて、つぶやくように。
そんな状況で、来年から、本人の希望もあって、言葉の教室に行くことにしたんですが、
ネット検索で、たどりついたのが、「きよしこ」でした。

素敵なお話でした。
とても丁寧に書かれた、少年きよしの物語。
重松さんが通ってきた道で、うちの息子も通るかもしれない道です。
このお話集は、私にそっと寄り添いました。
たぶん、もうちょっとしたら、息子にも寄り添ってくれる。
いつも、パソコン脇もしくは、手の届く書棚にあり、
なんどもそっと励ましてくれるはずです。
私も、吃音というものの知識をまったくもっていなかった3年前までとは違い、
ずいぶんいろいろ調べてみました。本も読み、ネットで調べ、
あらゆる方法で、その糸口を探したのですが、
息子の言葉から、いつか消え去って欲しいと願ってきた吃音とは、
縁は切れませんでした。
そして、やっと、これから真の意味で向き合っていけそうです。

吃音者だった、歌手スキャットマン・ジョンが、かつてインタビューでいいました。
「吃音は、自分の強さと、謙虚さの源です」と。
きっと、息子も、吃音というものと、正面から向かい合ったときに
本当の強さ=優しさと、謙虚さを手に入れることができるだろうと、思いました。
それは、神様からの贈り物なのだと。
今の彼の恵まれた状況では、それらは、容易には手に入れられませんから。

人生は楽しいと、大人になった息子がそう感じられるように、
これからも、親として、そっと支えていきます。
「きよしこ」と重松さんに、心から、ありがとう☆

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|